Contents
共有名義か、単独名義か。
共有名義を検討する1番の理由
なかなか不動産を買う機会も無いし、家族みんなの家だから、所有権を夫のみにするのは、気持ち的に落ち着かない。
そんな理由が一番多い気がします。
つまり、共有財産だ、と名義においても主張したい「気持ち」の部分です。
共有名義を叶えるためには
奥様が物件価格に対して一定割合の現金で、物件を購入するために協力するか、住宅ローンであれば、「連帯債務者」としての責任を負わなければいけません。
尚、現金を出す場合は、名義が奥様の名前の口座から出金しなくてはならず、住宅ローンであれば、「保証人」とかでは出来ません。
あくまでも奥様個人も買ったという体裁を整える必要があります。
共有名義のメリット
住宅ローン控除が、奥様の収入からも行えるようになります。

また、相続時に、税金対策となります。
「ご主人100%名義⇒相続⇒奥様」相続財産100%
「ご主人50%奥様50%⇒相続⇒奥様」相続財産としては50%となります。
デメリットの方が多い共有名義

私は、営業マンとして、共有名義をおススメしておりません。
まずは手続きが面倒くさい。
圧倒的に面倒だからです。
その手続きは、「購入時」もそうですが、「売却時」もそうです。
特に、その中で、「離婚案件」の場合は、もっと面倒になります。
デメリット① 売却時に困る
特に離婚案件です。
何度も言いますが、これが最悪です。
このように説明すると、お客さんからは、これから新居を買おうとしているのに、デリカシーが無いというお言葉も頂きますが、私ははっきりお伝えします。
不動産のお話は、決して夢ばかり見れば良いという訳ではありません。
現実がちゃんとあります。
相続時のメリットまで考えているのに、離婚時のデメリットに耳を貸さないのは、変な事です。
相続の確率は認めているけど、離婚の確率は認めない。
このような状態なので、尚更、共有名義の不動産売却時は、不動産屋泣かせです。
一般的なインターネットのサイトでは、共有名義の離婚時は手続きが大変だとあります。

しかし、そのようなものじゃないのです。
現実をお話致します。
まず、売買契約時に、基本的には集まらない。
来ないんです、どちらかが。
「もう離婚したんだから会うのも嫌だ」という理由です。
はっきり言いますが、その事情は、不動産営業マンとしては関係ありませんよ。
そして、売却価格に納得しない。
安すぎる。もっと高く売れるのではないか。など。
どちらかが必ず異議を唱えます。
更に、その売却代金の割合から、受け渡し方法に至るまで拘ります。
もう一度言いますが、それらの事情は、不動産営業マンは関係ないのです。
もしくは、どちらかが住み続けたいなどの要望があった場合は、住宅ローンの変更手続きを銀行にしなければいけません。
しかし、その手続きも、スムーズにはいきません。
ですので、仕事をお断りさせて頂くケースもあります。
軽微な要望であれば、サービスとして行いますが、
買主様もいらっしゃいますし、司法書士も手伝いに来ますし、買主様の住宅ローンで銀行も動きます。
ですので、売主様ご夫婦の一方的なワガママで動くわけにはいかないのです。
これらの事情から、売却困難というよりは、売却不可能となるケースも。
上記の事情から、なかなかスムーズに手続きが進まないのも一つですが、売却価格よりも住宅ローンの残高の方が多かった場合は、売却したくても難しいのです。
「連帯債務者」がその責任から外れるとなれば、銀行側も、多少の一時返済などを求めてきます。
銀行は二人に融資をしたのであって、単独の一人に融資をした訳ではありません。
強制的にどちらかが住み続けるという状態になる事が多々あります。
デメリット② 相続人が増えていく
デメリット①でも書かせて頂いた通り、共有名義人には、権利と責任があります。
その名義人が亡くなり、相続が発生すれば、必然的にその権利は相続人に引き継がれていきます。
その相続人がどんどん枝分かれをして、8人で共有名義だった、などのケースも最近ございました。
すると、この8人に対して、売却の同意を得なければいけません。
1年に数回顔を合わせえているような8人であれば、なんとか話をしてみますが、
どこに住んでいるかも分からない場合は、やはり不動産営業としてはお手上げの場合があります。
ぶっちゃけ話ですが、お客様がどうしてもという場合は、「探偵」を使ったりもします。
もちろん費用はお客様にご負担頂きますが。
まとめ

上記の問題は、解決しずらい問題です。
ですので共有名義をご検討のお客さんには、共有名義を進めておりません。
お二人の財産にしたいというお気持ちは重々、理解しておりますが、いざという時に一番困る原因となります。
財産が大きいだけに、問題が大きくなるのです。
是非一度、それらも含めてご検討頂いてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
関連記事


