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ゆくゆくは親の面倒を見るために二世帯住宅。それが大きな失敗だった。
読者様 プロフィール
公務員のご主人、専業主婦、子供2人。隣町に住む、ご主人の両親をひきとって、二世帯住宅を建築。引っ越してから、4か月。(子供の小学校入学を期に引っ越し)
もちろん、夫婦仲、ご両親との仲も良好だった。
引っ越すまでは。
どうする事もできないため、相談というよりは、誰かに聞いてほしいという印象で、私に話してくれました。
奥様からのお話です。
引っ越してすぐに発生した大問題。嫁姑問題。
よく聞く話ですが、このご家庭でも、やはり例外なく起きた、この問題。
内容としては、以下の通り。
- 専業主婦をしている嫁が許せない。(パートで働けと)
- 嫁にプライバシーは無い。自由に出入りする夫の両親。
- 無関心な夫。
以上の3本建てです。
引っ越してすぐに、働けと促される。

引っ越してすぐに、働けとの指令が。
「なんで働きに出ないの?」
「子供の面倒は私たち(夫の両親)が見るわよ?」
「今は不況なんだから夫婦で協力すべきよ」
「家でくつろいでないで」
直接、働けと言わずに、遠回しのこのような言葉を浴びせられる毎日。
結果からお話しますが、現在、読者様(奥様)はパートに出て働いているようです。
当然と言えば当然の結果。
妻が働くことが当然ではなく、夫の両親がそのような言葉を発する事が、です。
どうしても、自分の子供(ご主人)が可愛い。少しでも家計をラクにしてあげたい。
どうしても嫁が遊んで暮らしているように思える。
定年退職して暇だから、孫とも遊びたい。
これら全てを叶えるには、嫁をパートに出すのが、一番の解決策です。
もちろん、夫のご両親からすれば正義かもしれませんが、外部の人間から見れば、夫の両親は配慮が欠如している。
不動産営業マンとしてアドバイス
この読者様のご家庭には、訪問してアドバイスする訳ではありませんが、、実際のお客さんでもこのようなケースは多く、アドバイスをさせて頂く事があります。
「生活スタイルは、ご夫婦で話合うこと。例え両親といえど、それにクチを挟むのはナンセンス。」
昔は、「結婚」というと「家(夫一家)」と「家(妻一家)」の問題だと言われていました。
変な例えですが、サザエさんの家も両親と同居していて、波平さんが偉そうです。
あの状態が当たり前だったんですね。
しかし、現在は、核家族化が進み、夫婦の在り方も、家庭によって違います。
妻が働き、夫が専業主夫の場合すらある。
昔のように、みんな、一律で均一という事はないのです。
転勤や、単身赴任なども珍しくありません。
ですので、昔(夫のご両親世代)の常識は、今の常識とかけ離れています。
必ず、しっぺ返しされます。
社会問題として、もう二つ。
「熟年離婚」
「介護問題」
今は、夫のご両親が元気で体力的にも健康なので、そのような事を言えますが、この状況が変わったら、どうでしょう。
奥様は、現在、自分の生活と子供の生活があるので、そのような要求にも耐えるでしょう。
しかし、その枷が外れたら?
最早、制御不能です。
夫の両親の面倒など、見る訳がありません。
むしろ、離婚にも喜んで応じるでしょう。
それまでの我慢料として、「財産分与」というおまけつきで。
ですから、「生活スタイル」にだけは、クチを挟んではいけないのです。
と、両親とご夫婦の前でご説明をするようにしています。
そんなことを話すのは、不動産屋として越権行為。
そうです。
早い話が、どんな生活を送ろうが、それこそ私がクチを挟むことではないです。
完全なる越権行為でしょう。
しかし、私は、「売却相談」で、そのような方の相談に乗るのも仕事なのです。
購入時は、夢を見ているかもしれませんが、売却時は、現実と結果しかありません。
売却相談で、私のところに相談きた時点で、もう修復不可能なのです。
奥様のプライバシーが無い問題。

家が、繋がっているため、自由に出入りしてくるそうです。
通路に鍵をつけても、ドライバーで鍵を破壊し、入ってきたそうです。
このケースは、やりすぎです。
家族なんだからいいでしょ?
そんなこと思っていると、やはり失敗します。
奥様は、慣れない環境、なれない生活で、ただでさえ休まる時はありません。
ご主人の両親からしたら何十年も続けた生活に嫁と子供が入ってきただけ、と感じるかもしれませんが、奥様からすれば、そうではないという事を理解しなければいけません。
「まずは慣れてもらう事に全力を尽くしましょう」
それには、やはり、ある程度の距離感が重要なのです。
ズカズカと奥様の領域を侵すのは、危険です。
不動産営業マンとしてのアドバイス
私は2世帯住宅のご相談の際は、玄関を二つ作る事をおススメしています。
玄関が違うと、生活環境が分かれている感覚になるのです。
アパートに住んでいても、「共同生活」なんて感じている人は少ないのではないでしょうか。
それは、玄関が分かれている事も一つの大きな要因かと思います。
現実的には、壁1枚隔てて、他人が生活をしている訳ですが。
ですので、どんな形でも玄関を二つ作る事をご検討されてみてはいかがでしょうか。
夫の無関心問題

実は、ここが、一番の原因になります。
夫を信じてついてきたのに。
そんな言葉をよく聞きます。
しかし、現実には、「疲れた~」と言ってすぐに寝てしまうそうです。
ご主人のご両親に対抗できるのは、ご主人のみ。
自分の両親ですから。
当然です。
二世帯住宅という選択は、親孝行であり、非常に優しい決断だと私は思っています。
その優しさを、奥様にも、少し分けてあげませんか。
「今日、どうだった?」
「不便はしてないか?」
などの一言で、救われる気持ちもあるのです。
そして、何か問題があれば、早急にご主人様が、矢面に立って、自分の両親と調整をつけること。
「嫁」という立場では言えない事も多いのです。
不動産営業マンとしてのアドバイス
「仕事に専念したい」
「めんどくさい問題は嫌いだ」
「ゆくゆくの事を考えて」
というご主人様には、正直2世帯住宅はおススメしていません。
「売却損」が出ない住宅、価値が下がりずらい住宅を購入して、「ゆくゆく」の時が来たら考えましょう。
生活は毎日の積み重ねです。
将来の事だけを見て、今の生活をすることはできないのです。
これは、学校区を意識して、住宅を無理して決めるご家庭と通じるものがあります。
隣町で探せば、価格は下がるのに、学校区があるからと、価格の高い地域に居を構える。
もちろん、子供の友達関係を考えれば重要な事ですが、
「小学校はそもそも6年間しかない」
ので、その6年に全力投球して無理をする必要が無いかと思います。
家族とはいえ、やはり他人同士が一緒に居を構えれば、「めんどくさい問題」は必須事項です。
であれば、仕事が落ち着いてから、子供が自立し始めたら、などの節目に考えた方が宜しいかと思います。
まとめ
現在、読者様(奥様)は、離婚などの道は考えていないそうです。
パートに出て収入を増やす事は、悪い事では無いし、豊かにもなる。
プライバシーが無い事は嫌だけど、パートに出る事が息抜きにもなる。
そんなことをお話していました。
とても、ポジティブな方だと思います。
不動産営業マンという仕事は、「衣食住」の3本柱の一つ、「住」の部分のお手伝いです。
当然、このようなご家庭の問題も、離婚問題も、相続問題にも関わる事があります。
その都度、どの選択が正しいか、考える事が多いのですが、やはり部外者の私には正解などは分かりません。
しかし、少しでも部外者の意見として参考にして頂き、幸せに暮らして頂く事を願うばかりです。
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